審査用紙です。0〜100点満点でお願いします
エントリーNO.050 ひろたか

クリボー:はぁ・・・また今日も踏まれるのかぁ・・・
     いい加減ボクをこの位置に配属しないで欲しいなぁクッパさん・・・

     あ、来た来た。毎度おなじみ赤い帽子の配管工が・・・
     いや違う。今日は緑色の帽子のヤツだ。
     確か、いつもの奴の弟だったっけか・・・





ルイージ:はぁ・・・
     兄さんが「たまにはお前もピーチ姫を助ける手伝いしろよ」って言うから
     泣く泣く家を出て来たけれども、何をすりゃいいんだか・・・

     ・・・それにしても腹減ったなぁ。キノコは無いのかキノコは。
     そういえば兄さんが、「キノコは『ハテナブロック』の中に入ってる」って言ってたなぁ。
     まずはそのハテナブロックとやらを探すか・・・

     うわっ、栗が近づいてきた!?危ねっ!(ひょい)

クリボー:・・・あれれ、ボクを踏まずに避けて行ったぞ?
     アイツ、いったい何考えてるんだ・・・?





ルイージ:んぬっ・・・・・・んぐぐぐぐぐぐ!!

クリボー:・・・・・・?

ルイージ:うぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・

クリボー:・・・あのー、何してらっしゃるんですか?

ルイージ:ちくしょー、開かねぇ!このハテナブロックとかいうヤツ開かねぇ!!

クリボー:開かないってアンタ・・・どうしたいんですか。

ルイージ:キノコ・・・キノコ喰いてぇーーー!!!

クリボー:あ、もしかしてハテナブロックの中のキノコを取り出そうとしてたんですか?
     それにしてもハテナブロックを”開ける”という発想はなかったですよ。
     その立方体を両側から引っ張ればパカッと開くとでも思いましたか?

ルイージ:ちっくしょう・・・どうやったらキノコが出てくるんだよコレ!
     おい、そこの栗!どうすりゃいいか知らない!?

クリボー:まさか平気でボクに聞いてくるとは・・・
     えっとですね、ハテナブロックを叩けばいいんですよ。

ルイージ:そうか、叩けばいいんだな!
     (バン!  バン!  バン!)

クリボー:いや・・・別にブロックの両側から平手で叩けとは一言も言ってないんですが。

ルイージ:何だよ、出てこないじゃないかよ!

クリボー:そんな叩き方する人初めて見ましたよ。初めてって言ってもお兄様の叩き方しか知りませんけど。

ルイージ:ちっくしょう・・・どうすれば出てくるんだ・・・(ススススギィィィィィー)

クリボー:だからってブロックの外側を剥ごうとしないで下さい。軍手越しに爪がブロックに当たって変な音出てますから。
     叩き方の問題なんですってば。

ルイージ:・・・・・・(ちょん)

クリボー:上からそっと撫でる様に叩く意味が分かりません。本当にキノコ出したいんですか?

ルイージ:じゃあどう叩けばいいって言うんだよ、この栗坊主!!

クリボー:あ、「ず」は余計です。ボク、クリボーって言います。
     そうですねぇ、お兄様はブロックを下からパンチしてましたけれども。

ルイージ:パンチ!?こんな固いブロックに!?
     そんな叩き方したら手が痛くなるじゃないか!!

クリボー:痛いってアナタ・・・そのくらい男なら我慢しなさいよ。

ルイージ:手が痛くなったらよぉ・・・キノコの美味しさなんかじゃ癒しきれないほどのショックを受けるだろ!!

クリボー:もはや 自分の手>キノコ ですか。
     そしてそれでもキノコを求め続けますか。

ルイージ:だってキノコ美味しいじゃん!
     なぁ、もうお前がキノコ出してくれよ!!

クリボー:子供ですかアナタ。
     そして残念ながらボクの力じゃ無理です。

ルイージ:はぁ・・・俺にキノコは取れないのか・・・

クリボー:痛いのさえガマンすれば余裕で取れるはずなんですが。

ルイージ:仕方ない・・・さっき兄さんから貰った花でも眺めてるか・・・

クリボー:どんな気分転換の仕方ですか。
     ってちょっと待って下さい、花ってアナタ・・・

ルイージ:(ボオッ)うわっ、花を取り出した瞬間火が出たぞ!?
     そして俺の身長が心なしか高くなった!?

クリボー:まさかのファイアフラワー。
     ってか隠しながらの持ち込みは反則ですよ。設定ぶち壊しですよ。

ルイージ:(ボオッ ボオッ)うわっ、すげぇ!自由自在に火が出る!

クリボー:ファイアフラワーの効用知らなかったんですか?
     ってか、ボクへの対応の仕方といい、アナタお兄様からこの世界について聞いたこと無いんですか?

ルイージ:ハッ・・・そうだ!
     この火でブロックを燃やしてしまえば、中のキノコが取れるぞ!!

クリボー:どこをどうしたらそういう発想に至るんですか。
     ってかボクの経験から言えば、その花がある時点でキノコ要らないんですけれども。

ルイージ:よぅし、燃やすぞー!!(ボボボボボボ)

クリボー:あぁ、何か始めちゃった・・・

ルイージ:ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ(ボボボボボボ)

クリボー:手をブロックに密着させながら炎を出し続けるとか・・・よくそんな状態で大丈夫ですね。

ルイージ:ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ(ボボボボボボ)

クリボー:正直、パンチするよりよっぽど重傷を負う気がするんですが。

ルイージ:ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ(ボボボボボボ)

クリボー:あぁ、何て異様な光景なんだろう・・・
     しかしなかなか着火しませんね。

ルイージ:ふんぬぉぉぉぉぉぉ・・・ハァ、ハァ、・・・
     何故だ!何故燃えない!!

クリボー:ブロックが燃えない物質で出来てるから、としか考えられません。
     直火に当てても変色すらしないとか、相当スゴイ物質でできてますよコレ。
     もう、ハテナブロックが何の物質で出来てるかがハテナですよ。

ルイージ:くっ・・・構わず燃やし続けるぞ!
     ふんぬぬぬぬぬ・・・・・・(ボボボボボボ)

クリボー:ついでにあなたの行動もハテナです。何故続けますか。

ルイージ:ぬぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ(ボボボボボボ)

クリボー:ってか、そのブロックも既に相当な高温ですよね?
     少しは中のキノコの身にもなったらどうなんですか。

ルイージ:ふんぬぬ・・!!ブロックが柔らかくなってきたぞ!?

クリボー:あら、燃え尽きる前に変形しちゃう系の素材で出来ていましたか、ハテナブロック。

ルイージ:うぉぉぉ!曲がる曲がる!!これ面白ぇ!!

クリボー:何遊んでるんですか。粘土じゃないんですから。
     もはやブロックに描かれている「?」マークが「!」マークみたいになってるじゃないですか。

ルイージ:うひゃぁ!ちぎれるちぎれる!

クリボー:ハテナブロックが分離するのを初めて見ましたよ。
     もう崩れちゃいけないものが完璧に崩れた気さえしますよ。

ルイージ:ハッ・・・そういえば中のキノコは!?

クリボー:やっと本題に気づきましたか。
     高温で蒸されたキノコの状態とか想像したくないんですが。

ルイージ:あれ・・・何だコレ?・・・黄色い金属が溶けたような・・・

クリボー:・・・・・・もしかしてこのブロックの中身、
     キノコじゃなくてコインだったんじゃないですか?

ルイージ:ハァ!?キノコじゃなくてコインだっただとぉ!?
     先にそれを言いやがれ、このボッタ栗めが!!

クリボー:変にボクの名前と掛けないで下さい。ってか何でボクが詐欺師扱いですか。

ルイージ:じゃあ教えてくれ!!どのブロックの中にキノコが入ってるんだ!?

クリボー:どれって・・・とりあえず、このステージ内のどれかには入ってるハズですけれども。

ルイージ:よぅし・・・こうなったら全部のブロックを燃やしてやる!!

クリボー:何故燃やすという発想から離れられないんですか。
     ってか燃やしても無意味だってことは今確認したはずですよね?

ルイージ:ヒャッホゥ!アハハハハハ!(ボボボボボボ)

クリボー:もうハテナブロックとか関係なく炎撒き散らしちゃってるじゃないですか。
     うわ、・・・ボクの同僚達が意味もなく倒されていく・・・

ルイージ:フオォォォォイ!!(ボボボボボボ)

クリボー:・・・そして何故に土管にも火を放ちますか。
     アナタ、配管工として土管への愛はないんですか。

ルイージ:ィヤッホォゥ!(ボボボボボボ)

クリボー:もうキノコの事とか忘れてるんじゃないですかね、あの人。
     ちなみに土管の中のボーナスステージが早くも全焼したみたいですよ。

ルイージ:はうあっ!(ドンッ)

クリボー:あ、ハテナブロックに頭をぶつけて倒れた。

ルイージ:痛たたたたた・・・邪魔だなぁ、もう!!

クリボー:邪魔も何も、ブロックからアナタのお求めだったモノが出てきたようですよ。

ルイージ:え!?あ、本当だキノコだ!!
     よし、ゲーーーッツ!!(パクッ)

クリボー:ん、とは言っても毒キノコのようですけど・・・

ルイージ:あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!(ミュンミュンミュン)

     ・・・ったく、それを先に言いやがれってんだこのクソ栗ボンボンめが!!

クリボー:「クソ」と「ンボン」が余計です。
     まぁ、でもこれで身を持ってキノコの取り方は分かりましたね。

ルイージ:冗談じゃねぇよ!!キノコを取ろうとする度にブロックに頭突きしろってか!?

クリボー:だから下からパンチするんでもいいんですってば。

ルイージ:どっちにしろ痛いじゃねぇか!
     ちくしょう、ココではそんな事までしないとキノコが食べられないなんて・・・

クリボー:まぁ・・・そういう場所ですから、ここは。
     ってか、パンチすら怖がるとか、本当にアナタはどれだけ怖がりなんですか。

ルイージ:怖がりだと!?この野郎、散々俺のことを馬鹿にしやがって・・・
     もう許さねぇ!!腹いせに燃やしてやる!!

     (カスッ、カスッ)

     あれっ?炎が出ない・・・

クリボー:そりゃあ、毒キノコを食べたんですからパワーダウンしてますって。

ルイージ:何ぃ!?そう言えばさっきから、炎を出してたときに比べて背が縮んだ気もするし・・・

クリボー:・・・さて、もういいですかね?
     散々バカバカしい事に付き合わされましたが、ボクもう行きますよ?

ルイージ:待ってくれ!!俺どうしてもキノコが欲しいんだよ!
     パンチも炎も使わずに、毒じゃないキノコを手に入れる方法はないのか!?

クリボー:・・・仕方ないですね。これだけは言うまいと思ってたのですが・・・

ルイージ:な、何だよ!?



クリボー:ボク、栗に見えますけど・・・・・・実はキノコなんです。



ルイージ:そ、・・・そんなバカな!?嘘だろ!?



クリボー:嘘だと思うなら帰ってWi*ipediaでも見て調べてください。
     とにかく、ボクはキノコなんです。毒も入っていません。
     もしアナタがそんなにキノコが欲しいと言うのなら・・・



ルイージ:言うの、なら・・・?



クリボー:ボクを・・・・・・食べればいいと思います。

 

ルイージ:そ・・・そんな・・・・・・



クリボー:あんまり美味しくはないかもしれないけど・・・
     もしアナタがどうしてもキノコが欲しいって言うんだったら・・・
     ボクを・・・食べればいいと思います。



ルイージ:そうか・・・
     さっきは燃やそうとなんかしたりしてゴメンな。
     でも、お前がそう言ってくれるのなら、俺は遠慮なくいただくぜ!



クリボー:ルイージさん・・・(ドキドキ)



ルイージ:このご恩は一生忘れないぜ!!
     じゃあ、食うぞ?



クリボー:は、・・・はい。(ドキドキドキドキ)



ルイージ:いやぁ、こんな風貌してキノコだったなんてなぁ・・・

     (クリボーを素手で掴む)




     はうっ!(デデッ デデデッ デデッ デッ デッ)

クリボー:・・・よし、敵討ち完了ー。


エントリーNO.0042 くるびしソックス
青春18きっぷ。なんと心地よい響きだろうか。
俺たちくるぶしソックスはその夢の切符を使って今回の地方公演開催場所、雲仙普賢岳へ向かっていた。
夢の切符で地獄に一番近い場所へ行くという事実はなんか泣ける。
20超えてるのに親戚の学生証使って18きっぷを買った事実はもっと泣ける。
ちなみに駅員さんには「いや、18歳以上でも18きっぷは買えますよ」と言われた。
もう半泣き。恥ずかしいやら18以上ってバレてるわでもう半泣き。
お金は、無い。ちなみに大人としてのプライドも無いのは内緒だ。

各駅停車でずんずんと進む普通列車。
誰も居ない一両編成の車内。
靴を脱ぎ、ひざ立ちで椅子に登り、おこちゃまよろしくの格好で変わる景色を眺める俺の相方、おまりー。
山陰から見る冬の日本海。
ドアを開けて入ってきた、車内販売員の死神。
荒れる日本海。

風流である。このような景色を先人達は見、聴き、人間の無情さに涙してきたのであろうか。
なのにもう子供みたいな事してるおまりーが信じられない。電車に乗ると人が変わる奴は初めて見た。

うんごめん、現実を見るわ俺。正直おまりーとか忘却の彼方っすわ。
なんかさっき死神が居たよね。ウェイトレス姿の鎌持ったおっさんが居たよね。
おかしいのである。一両編成だったはずなのである。
なのに隣の車両からやってきたかの如く、平然としたオーラを携えガイコツさんがドアを開けてきたのである。
そっと姿勢を変える。
靴を脱ぎ、ひざ立ちで椅子に登り、おこちゃまよろしくの格好で変わる景色を眺める俺。
車内を見るわけにはいかない。いや違う、俺は現実逃避をしたかったのだ。
そんな俺の顔は、冬の日本海より荒れていた。真っ青だった。

「ちょっと見てよろぺす、大波だよ大波。ビッグウェーブだよビッグウェーブ」

相方は全く気付いていない。冬の山陰と日本海に見とれている。
ガラスの反射を利用し死神の顔を伺う。めっちゃこっち見てる。
なあおまりー、俺の肌もビッグウェーブを起こしてるんだよ。スマトラだよスマトラ。

「アレだねろぺす、こうしてると二人っきりで旅行してるみたいで楽しいね!」

あ、二人っきりな、そうだよな、二人っきりの旅だよな。そうだそうだ。

「やっとこはいかがですかー」

死神がこのタイミングでやっとこの宣伝を行い始めた。希望は冬の荒波に消えた。やっぱ二人っきりじゃなかった。
やっとこって、それって閻魔様が舌引っこ抜くときに使うアレやないですか。
てこの原理を実に上手に利用した、閻魔様が舌引っこ抜くときに使うアレやないですか。

「あ、トッポかぁ、ねぇねぇろぺす兄ちゃん、僕トッポ食べたいなぁ」

俺はお前を食ってしまいたいわおまりー。人格変わるっていうか幼児化しちゃってるがな。
んでトッポとやっとこを聴き間違えるってもうアレだよね、漢字二文字で言うと天才、
ひらがな五文字で言うとふざけんなだよね。
ミリ単位って言葉を使うのも持ち腐れなくらい合ってないよね。殴っても罪にはならないよね。

右頬を赤く腫らしたおまりーは果敢にも大鎌の主の元へ近づいていく。

「おばちゃん、トッポくださーい」

骸骨とおばちゃんをイコールで結ぶ難題に成功したおまりーに逆に乾杯。送り酒で乾杯。

「ほほう、隠しメニューを知ってるとは、僕、中々のクチだねぇ」

無駄にフレンドリーな死神はそう喋った。
おまりーは嬉しそうにトッポギを持って帰ってきた。

トッポギてあんた。
トッポギって、それって韓国の餅である「トック」を使用した韓国料理のひとつやないですか。
餅の煮込みやないですか。出展はウィキペディアからやないですか。

ガラスの反射を利用し死神の顔を伺う。どや顔でこっち見てる。
なんやアレか。トッポとトッポギをかけて「俺ってセンスあるやろ」みたいに言いたいんか。
いっその事俺はお前を食ってしまいたいわがいこ・・・いや食べれません、流石に100%
カルシウムはお断りです。
しばらく無音で過ぎていく車内。おまりーがトックを食べるもちゃもちゃ音だけが響き続ける。
しかし、何事にも終点というのはあるものだ。この列車も例外では無い。


「次はー、じごくー、じごくー。生命線の終点です」

アナウンスが流れた。いや違う、恐らく死神がそう言ったのだろう。だってどや顔でこっち見てるもん。
ガイコツだけどどや顔してるもん。心なし半笑いだもん。
手の平を見てみる。黒い点が生命線のトッポ、ごめん間違った先っぽにまで到達しようとしている。
鈍行列車の如く、ゆっくりと、だが確実にその点は進んでいる。
この点が終点に着いた時、その時が。

やばい、こうなったらこの列車から逃げるしか無い。そう思い手の平から顔を上げ、外に出ようと窓を開ける。
その瞬間、冬の日本海は、死の血の海へと変わった。俺たちは幻覚を見せられていた。
おまりーはその景色を見て驚嘆の声をあげた。

「わあ!ろぺす見て見て、トッポギがたっぷりあるよ」

おまりー君、あれはキムチのスープじゃ無いよ、君の身体を形成する赤血球の集合体さ。
おまりー君、あの白いのは韓国の餅じゃ無いよ、君の身体を支えてる100%カルシウムさ。

ポケットから青春18きっぷが零れ落ちた。チキショウ、この切符さえ買わなかったら
こんな事にならなかったかも・・・

その時に俺はやっと異変に気付いた。
1と8の間に0がある。
これ、残念ながら18じゃない。残念ながら青春108きっぷである。青春煩悩きっぷである。
思春期の少年達は様々な煩悩を抱え、それと実際の自分との差を感じながらもやがては自分の生きる道を見つけていくのだ。
煩悩は決して悪い事では無い、俺は今、声高らかにそう叫びたい。ごめん嘘。んな余裕ある訳無い。
どうりで地獄行き電車に乗り込む訳だ。今更冷静な推測をする俺。

「ご乗車ありがとうございました、生命線の終点、地獄、地獄です」

背後から勝ち誇った響きのアナウンスが流れる。ヤバイ、ヤバイ。
おい、おまりー!どうするんだよ!俺たちど、どっどどどっ、どうするんだよ!

「ちょ、今トッポギ食べてるのにアンタ話しかけないでよぉ」

おまりーがこっちを見る。カルシウム100%のトックみたいな顔をしている。おぉ、頭蓋骨。
自分の手の平を見つめる。生命線どころか肉さえ無くなっている。



すいません、ポッキー売ってますかね?俺とそっくりになった車内販売員に問う。

「あ、トッポッキならありますよ」

トッポッキってトッポギの別名やん。出展はウィキペディアからやん。
電車を降りるその時まで、死神はどや顔をしていた。


エントリーNO.015 エイジアンエイジアン
真田:今日は力士とか相撲について教えてほしいんだ。全然知らないから。

島村:うーん…。

真田:教えてよ。今日はお金払うから。

島村:お金欲しいからがんばるよ。

真田:やった!

島村:まず力士は強いんだ。

真田:おぉ、見えた。見えた!マッチョな力士見えたよっ。

島村:相変わらず想像力が豊かだなぁ。僕にはとうてい真似できない。

真田:まだ全身タイツを着てる状態だよ。よし、早く次の情報を!

島村:力士は裸で闘うんだ。

真田:うわぁ!全身タイツを素早く脱いだ!このままでは押し倒されてしまうよ!!助けて!

島村:想像力が豊か過ぎるよ!!どうしたらいいんだ!

真田:助けてっ!お願い!

島村:……は、半分は嘘でしたー。

真田:力士がどこからか飛んできたジーパンを履いたよ!た、助かったー。

島村:酷く怯えていたから思わず嘘って言ってしまったよ。

真田:今、頭の中の力士はきゅうりスティックをたべているよ。

島村:きゅうりスティックはどこから出てきたんだろう。まぁ、ともかくこれで安心だ。

真田:よし。次の情報行こう!行こう!

島村:ノリノリだねぇ…。それで力士には太っている人が多くて。

真田:…わぁっ!きゅうりスティックをちょっと食べたら急に太った!!

島村:力士のカロリーの吸収力高すぎるよ!!

真田:太ってジーパン破けた!全裸だ!

島村:またかっ!またなのかっ!

真田:押し倒されてしまうよ!!助けてー。

島村:半分は嘘でしたー。

真田:どこからか飛んできたハイソックスを履いたよ!

島村:変態に磨きがかかった!

真田:そしてちょっとスリムになったよ。これで大丈夫だ。

島村:絶対さっきより酷いと思うけど。本人も安心してるし大丈夫か。

真田:どんどん来ちゃってよー。

島村:わかったわかった。それで力士はまわしというふんどし的なものを巻いてるんだ。

真田:力士がまわしを巻いたよ。小指に。

島村:そこに巻いちゃったのか!

真田:僕の小指にも巻いちゃったよー。巻いっちんぐだよー。

島村:なんて昭和なフレーズセンス!

真田:運命の赤いまわしで結ばれてるとか言われたー!ひぃぃっ!!

島村:そしてなんて積極的な力士っ!!

真田:押し倒されるよー!

島村:はいー。半分は嘘でしたー。

真田:おぉ!!赤いまわしが半分に切れたっ!!

島村:よかったよかった。

真田:力士のハイソックスがくるぶしソックスになったよ。

島村:何故どんどんアレな方に向かっていくんだ!

真田:えーい!さっきから嘘ばっかりじゃないかー!これだから大人は…。

島村:え、ええーっ!?僕はキミの事を思って…。いや、最後はちょっと投げやりだったけど…。

真田:さっきから嘘ばかりつくから力士が覆面をかぶってしまったじゃないか!

島村:なんか色々と手に負えない感じになってきた!

真田:さあ、真実を話すんだ。

島村:ううー。そこまで言われたらしょうがない。嘘に頼らないで話すよ。
   力士には格付けっていうのがあって横綱とか十両とかいろいろランクが分かれているんだ。

真田:うお!もう一人高速で力士がやってきた!

島村:高速ってなんじゃーい。

真田:なんかレールの上を通ってきた!十両編成だ!

島村:そういう電車的なアレとは違うよ!!

真田:さっきまでいた横綱力士と見つめ合っているよ。

島村:なんて男好きなんだ!ってかいつの間にか変態な覆面が横綱になってた!
   アレが横綱って。品格って一体なんなんだって話になるよ。

真田:さあ!さあ!

島村:それで力士は基本的に丸いところで戦うんだ。

真田:山手線で二人が戦ってるよ!

島村:規模っ!!山手線丸い形してるけども。

真田:横綱が十両の顎から出てる吊り革を引っ張ってるよ。

島村:どんなヘンテコな力士なんだ!で、勝敗の方法は足以外の体の一部が地面に触れるか、場外に押し出したら勝ち。
   それで力士の技には突っ張りとか引き落としとか吊り落としとか色々あって…。

真田:吊り革が外れて横綱が負けた!これは吊り革落としだね!

島村:吊り落としみたいに言われても。それで横綱が十両とか格下に負けると周りから座布団が飛んでくるんだ。

真田:布団が飛んできたよ!あ…2人とも布団の中に…。

島村:座布団だって!誰だ!空気読んで布団投げたのは!!空気読むな!

真田:これで僕の身は安心だね。

島村:まぁ、安心ならいいけども。
   それで力士は基本的にマゲがあって。引退する時にはそれを切るんだ。

真田:十両がマユゲを切ったよ!

島村:マゲだよ。不良か。

真田:グレちゃったよ。

島村:不良かって。さっき突っ張りって言ったけどそういう事じゃないよ。

真田:十両がグループを組んで山手線のレールで爆走してるよ。

島村:見たことない!!そんなレールの上を行く暴走族見たことない!!

真田:そこに横綱が参上、そして十両に渾身の突っ張りを喰らわせて更生させたよ。まさに改心の一撃だね!

島村:上手いことなってるけども!

真田:そして…二人はまた連結して…。

島村:表現!連結って表現!もういいよ!ちっとも相撲について理解できてないじゃないか。ちゃんと知識を振り絞って話したのに。

真田:ごめん。でも最後のほうの一生懸命さは伝わったよ。お金は払うよ。

島村:やったー。

真田:あれ?お金が今ないなぁ。ちょっと銀行行ってくるよ。

島村:うん。

 (真田、走り去る。)

島村:決まり手は引き落とし…と。


エントリーNO.039 サイドハンド・ボーラーズ
あべ:まだかな・・・・ 遅いな、待ちくたびれた・・・・
    せっかく今日は、出会い系サイトで知り合った彼女のレイコちゃんと初対面ということで
    楽しみにしてるのになぁ・・・・




 (ヒュー・・・・・ドロドロドロ・・・)



 あべ:ん、何だこの物音と気配は・・・って、お、お、お、お化けだーーーーっ!!幽霊だーーーっ!
    な、なんでこんなところに幽霊がいるんだ、怖いって!! や、やめてくれーーーーっ!!

 幽霊:こんにちは・・・・ あなたが、あべさんですか? 私はレイコという者ですが・・・・

 あべ:・・・え、えーっ!? レイコさん!? あ、あの出会い系サイトで知り合ったレイコさん!?

幽霊(以下レイコ):はい、私の名前は、霊の子供と書いて「霊子」でございます。どうもはじめまして・・・
    今日は初めてのデートということで、もう胸がドキドキして死んでしまいそうなぐらいです・・・

 あべ:もう死んでるじゃないですか! どこからどう見てもレイコさん幽霊じゃないですか!
    空中に浮いてるし、全身白装束だし、足は無いし!
    ・・・・申し訳ないですけどもう帰ります! 怖いですから!

レイコ:えっ、そ、そんな! なんで帰ってしまうんですか・・・・
    あべさんとは今日までずっと、あれだけ楽しくメールのやりとりをしてたのに・・・・
    やっと彼氏ができたと思って、もう私はこのデートの日を楽しみにしてたのに、
    私が幽霊だというだけで帰ってしまうなんて・・・なんでなの・・・・・
    こんなの差別よ・・・許せない・・・・う〜〜ら〜〜め〜〜し〜〜や〜〜〜〜〜

 あべ:俺を呪うなーーーっ!! も、もう分かったから、デートに行こう! 行けばいいんですよね!
    じゃとりあえず、食事にでも行こうか・・・・

レイコ:じゃ行きましょう! よかった・・・・
    こうやってあなたとデートができるなんて、もう嬉しくって舞い上がってしまいそう・・・

 あべ:つーか幽霊なんだからもう既に半分空中に舞ってるだろ・・・・

レイコ:私、まずはあなたと食事に行って・・・・
    そこで・・・キスなんかしちゃったりして、ついでに口移しをしてもらいたかったなんて思ってたの。

 あべ:初対面でいきなり口移しは無いだろ!
    舞い上がり過ぎにも程がある・・・もうやっぱり食事に行くのはやめておこうか・・・・

レイコ:そ、そんな! 初めての恋愛というものに溺れて息もできない私を、
    あなたは人工呼吸もせずに見捨ててしまうなんて・・・冷たすぎる・・・・
    そんなのあまりにひどい・・・う〜〜ら〜〜め〜〜し〜〜や〜〜〜〜〜

 あべ:だから呪うなーーっ!! ・・・もう分かったよ、お前の言ってることはムチャクチャ過ぎるけど、
    呪われるのはイヤだから行くよ。で、食事はどこの店に行きたいんだ?

レイコ:い〜〜た〜〜め〜〜し〜〜屋〜〜〜〜〜

 あべ:イタリア料理店かよ! じゃジョリーパスタでも行こうか・・・・
    ここから歩いて10分ぐらいかかるけど、別にそれでもいいよな。

レイコ:10分もかかるの? いいけど、あんまり歩くとハイヒールで靴ずれしてしまわないか心配・・・

 あべ:お前は足無いだろ! そんなどこぞの美人OL気取りな心配しなくていいから!

レイコ:幽霊になってもちゃんとハイヒールぐらいは捨てずに持ってるわよ・・・・
    今日も私が呪いたい人のワラ人形に向かって、五寸釘を打ったりハイヒールで踏んづけたりとかしてきたし・・・

 あべ:なんで幽霊の世界とSMの世界がごっちゃになってるんだ!
    つーか、呪う相手がそれを快感に感じてしまったらむしろ逆効果だし!
    ・・・もういいよ、そのへんは別にあんまり詳しいこと知りたくないし、行こうか・・・・
    (そして2人は、店に向かって歩きだす)

レイコ:・・・あぁ、こうやってあなたと2人っきりで歩く並木道っていいわね。
    なんか、世界は私たち2人だけのものって感じだね・・・・

 あべ:・・・うん、それはたぶんお前のことを怖がって通行人みんなが逃げていってるだけだと思うよ。
    つーか、まだ聞いてなかったけど根本的なことを聞いていい?
    なんでお前は幽霊なんだ? いつ何が原因で幽霊になってしまったんだ?

レイコ:だって私、この世に未練があったから・・・死んでも死に切れなかったの。
    まだやり残したことがあった・・・死ぬ前に撮ったミュージックステーションのビデオも見てなかった・・・

 あべ:さっさとビデオ見て成仏しろ!
    つーか普通は、幽霊ってのには死ぬ前に恨んでた人を呪いたくてなるものなんじゃないのか?

レイコ:もちろん恨んでる人だっているわよ、前の彼氏とか・・・とにかくひどい人だった。
    その元彼は、私が死ぬ前にデートでお寿司屋さんに行って食事した時にも、
    私が最後の楽しみにとってあったハマチを
    「これ食べたくないんだな」と言って食べてしまったりしてた・・・呪ってやる・・・

 あべ:確かに食い物の恨みは恐ろしいって言うけど! だからって何も幽霊にまでなることないだろ!

レイコ:まぁそんなことは別にいいじゃない・・・・
    話は変わるけど、次回のデートは海に行きたいなぁ・・・・いいでしょ?

 あべ:つーかお前はさっきから恋愛の展開を急ぎすぎなんだよ・・・・

レイコ:でも、海はいいじゃない。白い砂浜と青い海のその輝き、
    私も思いっきりそこで泳いでみたいな・・・でも他の誰かに人魚姫と間違われたりなんかしたらどうしよう・・・

 あべ:間違われるわけないだろ! 足が無いことしか共通点がないし!
    だいたい自分のその顔を見れば、なんとか姫とかいう世界とはかけ離れてることぐらい分かるだろ・・・

レイコ:そ、そんな、私の顔のことをそんな悪いふうに言うなんて・・・・
    好きでこんな格好になってしまったわけじゃないのに、ひどい・・・許せない・・・
    う〜〜ら〜〜め〜〜し〜〜や〜〜〜〜〜

 あべ:もういい! いい加減うらめしやうらめしやってしつこいんだよ!
    もう分かったから、どこの海に行きたいんだ?

レイコ:ポ〜〜リ〜〜ネ〜〜シ〜〜ア〜〜〜〜〜

 あべ:遠すぎるよ! そんな飛行機代なんて払うお金ないし、
    つーかまず真っ黒に日焼けしたポリネシア人の中に真っ白な顔や姿のお前がいたら異様だよ!

レイコ:なら日本の海でいいわよ・・・じゃ福井県の、東尋坊にでも行こうか。

 あべ:そこ自殺の名所じゃないか・・・なんかもうお前の仲間がいっぱいいそうでイヤだよ・・・・

レイコ:確かに、福井は富士樹海などと並んで幽霊のメッカみたいな所かな。確か私、2年ぐらい前にも、
    私と同じように白装束を着た仲間たちが福井の本部みたいな所に集まってるのをテレビで見たし・・・

 あべ:それ幽霊じゃなくてパナウェーブ研究所の白装束集団だよ! 勘違いにも程があるだろ! 

レイコ:えっ、幽霊じゃなかったの!? 知らなかった・・・・
    まぁそんなことはもうどうでもいいわ。じゃ海はやめて、今度のデートの時は私の家に来ない?

 あべ:お前の家って絶対お墓だろ、イヤだよ!

レイコ:いや、違うって! きっと誤解してるわ、家に来てくれたらちゃんとお茶やミカンも出すから〜。

 あべ:それお墓のお供え物だろ!

レイコ:大丈夫だって、ただちょっと家が心霊スポットを兼ねてる程度だから〜。
    そんなに心配なら、ご近所のみんなも呼び集めて総出で歓迎するから〜。

 あべ:そんなんされたら思いっきり怖さ100倍だよ! 完全にリアルお化け屋敷じゃないか!

レイコ:・・・あっ、そんな話をしてるうちにイタメシ屋の前に着いたわ。じゃ、入ろうか。

 あべ:じゃ、そうしようか・・・・(店に入る)





 「キャーーーーーーッ、お化けーーーーーーー!!」



レイコ:ちょ、ちょっとどうしたの、なんでこの店内パニックになってるの!?

 あべ:お前を見てパニックになってるんだよ! そりゃそうなるよな・・・

レイコ:そ、そんなはずないわ、これはきっと悪霊か何かのしわざよ!
    悪霊退散ーー!! 悪霊退散ーー!!(店内を駆け回りながら)

 あべ:どっちかというとお前が悪霊だろ!




    (そして2時間後・・・ なんとか食事を終えて、2人は店から出てくる)

レイコ:ふぅ、いろいろあったけど今日は楽しかったわ。こんなに長い時間、彼氏と楽しい話ができたのって、
    幽霊になってからは初めて・・・いや、この世にいた時も無かったわ。ありがとう、あべさん。

 あべ:まぁ確かに長い時間だったな・・・店員さんほとんどが逃げ出したり腰を抜かしたりして、
    ちゃんと料理が出てくるまでには1時間30分ぐらいかかったからな・・・・

レイコ:私、一度でいいからこんな、心の底から楽しいデートがしてみたかった・・・・
    今日は念願の夢が叶ったわ、だからもうこの世には未練は無いわね・・・・
    決めた! 私、今日限りで幽霊をやめる!

 あべ:えっ、決めたのか!? ついにお前、成仏して天国に旅立つ気になったってことなんだな・・・
    なんだか俺まで嬉しいよ。じゃ、天国に行っても元気でな・・・ ふぅ、これでやっと幽霊から離れられる・・・

レイコ:えっ、天国になんか行きたくないわよ。
    あなたとはこれからもずっと一緒にいたい・・・・だから決めた。
    私、明日からはあなたの背後霊になる!!

 あべ:・・・・・イヤだーーーーーーーーーーーっ!!!!


エントリーNO.020 潮江軍団
時は戦国

ここに1人の武将がいる

その名は小笑 母毛成(おわらい ぼけなり)

彼は言う

この戦乱の世を生き抜くために最も必要なものとは、物事の本質を見抜く力である

故に、ボケの本質を瞬時に見抜き、的確なツッコミが出来る者を小笑家の世継に指名する、と・・・



一郎:(父上から大事な話があると言われ、ここに呼ばれたが・・・もしかして世継の指名が行われるのであろうか?
    だとすればここでツッコミの力を見せて、駄目押ししておかねばならない。失敗は許されないな・・・)

次郎:(フフフ、兄上はかなり神経質になっているようだな。しかし、今更あがいてもどうしようもないこと。
    父上の目には俺のツッコミが最も上だと映っているに違いない。ここはいつも通りに的確なツッコミをすれば大丈夫だ。)

三郎:(昨日気付いたんだけど、IQサプリの間違い探しって、とりあえず「鏡になっていない」って言っておけば1個は当るよな。
    要はそれをどのタイミングで言うか、だな。)


ふすまがバサーと開く

小笑 母毛成が登場


父上:いやーどうもどうも!みんな、集まったか!
   まぁそんなに、かしこまらんでいいから!リラックスしなさーい!

一郎:(何だと!いきなりブリーフ一丁で現れるとは!なんという分かりやすいボケだ!
    いや、それだけではない。お腹に何か文字が書いてあるぞ・・・
    「Perfumeは全員引き分け」だと!?そうか?かしゆかは群を抜いてブサイクだと思うが・・・
    しかし、これは個人の美的感覚の問題であり、ボケとは言えないかも知れない・・・
    よし、とりあえずここは両方ともツッコんでおこう)

    ブブブ、ブリーフて!ブリーフ一丁で登場って!しかも、Perfume全員引き分けて!かしゆか30点ですやん!

父上:バババ、バッドバッド!バッドツッコミーング!もっとコンパクトにツッコみなさーい!
   一郎、マイナス1ポイーント!

一郎:ははぁ!ありがたきお言葉!
   (しまった!長いツッコミはテンポを悪くしてしまう!やはりツッコむポイントを1個に絞るべきだったか。)

次郎:(フフフ、初歩的なミスをしやがって。俺は即座に答えを見抜いたぞ。
    これは1個1個ツッコむのではない。何かに「例える」のが正解なんだ。
    ブリーフ一丁、これは間違いなくあれだ・・・)

    お前、汁男優か!

父上:バババ、バッドバッド!バッドツッコミーング!下ネタに頼ってちゃダメー!
   次郎、マイナス1ポイーント!

次郎:ははぁ!ありがたきお言葉!
   (クソッ!「下ネタは人を選ぶからダメだ」って父上にいつも言われてることじゃないか!何たるケアレスミス!)

一郎:(次郎め、何だその例えは。よりによって汁男優はないわな・・・「お腹に文字」ということは、たむらけんじ氏か。
    しかし、たむらけんじ氏はブリーフではなく、ふんどしだったはず。どうすればいいんだ!正解が見えない!)

三郎:・・・おい!お前、全然おもんないねん!中学生のノリか!

父上:グググ、グレイトグレイト!グレイトツッコミング!三郎、1ポイントゲット!

一郎:(何!?今のが正解だと!ツッコミにおいて「面白くない」という言葉は禁句ではなかったか!
    いや、待てよ・・・例外もあるな・・・)

次郎:(そういうことか!確かにブリーフ一丁で、お腹に文字。全然面白くない。
    明らかに面白くないボケには面白くないと指摘する。それがスベリ笑いにつながる。
    滑ったボケを笑いに昇華する、これこそがツッコミの最大の仕事。三郎、なかなか腕を上げたな・・・)

父上:えー、というわけでみんな、今日は忙しいところ、よく集まってくれた。
   それでは今から、我々父子4人でリッツパーティーを始めたいと思う。

一郎:男4人でリッツパーティーって!

父上:バババ、バッドバッド!バッドツッコミーング!さっきのミスを取り返そうと焦りすぎて空回りー!
   一郎、マイナス1ポインツ!

一郎:ははぁ!ありがたきお言葉!
   (何!?リッツパーティーはボケじゃなかったのか?いや、そんなはずはない。
    「リッツパーティー」ってのは、おもしろフレーズの常套句じゃないか!)

次郎:(フフフ、勇み足だな。ここはいきなりツッコむんじゃなくて、ノリツッコミをするのが最適な手段。
    俺のテクを見せてやろうじゃないか!)

    そうそうそう、リッツパーティーな。リッツの上にチーズを載せて、あーおいしいなって、何でやねーん!

父上:バババ、バッドバッド!バッドツッコミーング!ノリツッコミとか背伸びしすぎー!
   次郎、マイナス1ポイーント!

次郎:ははぁ!ありがたきお言葉!
   (ノリツッコミじゃない?ここはスカシツッコミがいいのか?あるいは手法の問題ではないのか?)

三郎:・・・おいコラ!顔芸かよ!

父上:グググ、グレイトグレイト!グレイトツッコミング!三郎、1ポイーンツゲット!

一郎:(しまった!確かに今、父上はアゴをシャクらせて喋っていた!言葉尻だけをとらえて、動きを見るのを忘れていた!
    何と言うケアレスミスだ!)

次郎:(ボケは言葉だけではなく、動きの笑いというのもある。それを拾うのもツッコミの仕事。
    ノリツッコミという技に溺れてしまい、大事なことを見失っていた。
    それに引き換え三郎、今日のお前は冴えているな。いや、着実に実力を付けているということか・・・)

父上:さて、無駄話をするのもなんだから、早速本題に入ろうか。
   ・・・お前たち、毛利氏の「3本の矢」という話を知っているか。

一郎:もちろん、存じ上げております。

父上:そうなんやー、俺、どんな話か忘れてもたー!

一郎:なんでだよ!

父上:バババ、バッドバッド!バッドツッコミーング!いやいや、ほんまに忘れてんねんやんかー。
   一郎、マイナス1ポイーント!

一郎:ははぁ!ありがたきお言葉!
   (あの有名な話を忘れてしまっただと!これは本当のボケが始まった、というボケなのか?
今日はかなり変則的なボケをするな!)


次郎:(ツッコむところはそこじゃないんだ、兄上よ!ちゃんとアンテナを広げとかないと!)

   こら!何で急に関西弁やねん!

父上:バババ、バッドバッド!バッドツッコミーング!たまには関西弁喋ってもええがなー!
   次郎、マイナス1ポイーント!

次郎:ははぁ!ありがたきお言葉!
   (関西弁になったのは単なる気まぐれだと!確かに「急に関西弁を喋る」というのはボケとしては弱すぎるが!)

父上:だからさぁ、どんなんだったか思い出すために、その「3本の矢」をやってみたいと思うけどええかな。

三郎:・・・分かった。じゃあ俺たちは子供の役やるから、お前は父親の役やれや。

父上:ファファファ、ファインファイン!ファインフォロイング!三郎、1ポイントゲット!

一郎:(しまったー!忘れたといったのはネタフリだったのか!フリの段階で過剰なツッコミをしてしまった!焦りすぎた!)

次郎:(なるほど。話を前に進めるのもツッコミの仕事。こんな基本もできていないようでは・・・)

父上:さて、ここに3本の矢がある。
   じゃあ一郎。これを折ってみなさい。

一郎:はい、かしこまりま・・・

父上:と見せかけて俺が折るー!

一郎・次郎:お前が折るんかい!

三郎:それ、矢じゃなくてトマトプリッツやないかい!

父上:ススス、スーパースーパー!グレイトグレイトグレイト!グレィィィィィトツッコミングゥゥゥゥゥ!
   三郎、スリィィィィィポイィィィィィィンツゲット!

一郎:(何!トマトプリッツを矢と想定して話を進めているのではなかったのか!
    ・・・待てよ、確かにわざわざトマトプリッツを使う必要があるのかって話だな!)

次郎:(ボケに対する瞬発力、それは確かに大事。しかし、ツッコむポイントがずれていれば、いくら早くても意味が無い・・・
    早さよりも正確さ、それがツッコミに求められるもの。それをいとも簡単にやってしまうとは・・・
    三郎よ、もしかしてお前はツッコミマスターとして1つ上の次元に行ってしまったのか?)

父上:はい、それでは気を取り直して、ここに1本の矢があります。
   では一郎、折ってご覧なさい。

一郎:はい。


ポキン


父上:このように、1本では簡単に折れてしまいます。
   じゃあ、今度は3本重ねてご覧なさい。

一郎:(・・・あれ、3本あっても簡単に折れそうだな。でもここで折ってしまったら、私がボケたことになる。
    ・・・しかし、今やダブルボケも珍しくない時代。ここは私にボケをやれということなのか・・・)

    ポキッ、あれれー、3本でも折れちゃったよー!

父上:ガビビガビビ、ガビビビビーン!バッドバッド!バッドボケリングゥゥゥゥゥ!
   それ、俺がやろうと思ってたボケやー!先にすなー!ボケ潰すなー!
   一郎、マイナス3ポインツ!

一郎:ははぁ、ありがたきお言葉!
   (何故だ?私がボケてから、父上が重ねてボケていくんじゃないのか?)

父上:では、次郎、今度はお前が3本の矢を折ってご覧なさい。

次郎:かしこまりました。
   (そのまま折るのはあまりにもベタだからな。ここは折るのではなく、モノボケで行くべきだな。)

   はい、これが坂崎、これが桜井、これが高見沢で、ジ・アルフィー!星空の下のディースターンス!

父上:トホホトホホ、トホホホホ!バッドバッド!バッドボケリングゥゥゥゥゥ!
   俺よりおもろいボケすなー!ボケより目立つなー!
   次郎、マイナス3ポインツ!

次郎:ははぁ、ありがたきお言葉!
   (いきなりハードルを上げすぎたか?ボケを重ねるときは、最初はジャブ程度で良いということか?)

父上:では、三郎、今度はお前が3本の矢を折ってご覧なさい。

三郎:かしこまりました・・・・・あ、折れないですね。じゃあ、今度は父上が折ってみて下さい。

父上:オーマイ!オーマイ!オーマイゴッッッッドゥゥゥゥゥ!ナチュラルネタフリングゥゥゥゥゥ!
   ミラクルゥゥゥゥゥゥゥ!三郎、2ポイントゲット!

一郎:(そうか!いくらダブルボケが許容されてきているとはいえ、本流はボケとツッコミ!
    そこを見誤ってしまった!餅は餅屋!ボケはボケ屋に!)

次郎:(ボケに機嫌よくボケさせる。これもツッコミの仕事。まだまだ俺は勉強が足りない!)

父上:はーい、それでは、俺が折るよー!注目してー!
   まず1本めー、ボキッ!はい、やっぱり折れるねー。
   でも、3本あればー、・・・ボキッ!やっぱり折れるよー。

一郎・次郎:折れちゃダメだろ!

三郎:今、折れた音、全部腹話術やんけ!

父上:ジャストジャストジャスト!ジャストツッコミーーーーート!
   三郎、1ポイント!

一郎:(本当だ!折れていない!あの音は腹話術だったのか。そこまで父上が芸達者だとは知らなかった!)

次郎:(ボケの力量を把握しておく。それもツッコミの仕事。
    ここまでツッコミマスターとしての実力差を見せ付けられては・・・)

父上:さて、気を取り直して3本の矢を重ねてみると・・・
   ね、ほら、3本あると折れないんだよー。
   このように、3人の力を合わせたら、どんな困難にも勝てるんだ!
   だから、いくらかしゆかがブサイクでも、3人揃ってこそのPerfumeなんだよ!

一郎・次郎:Perfumeの話かよ!

三郎:かしゆかより、あーちゃんの方がブサイクだよ!

父上:グゥゥゥゥゥゥゥゥレイト!ウルトラスーパーデラックスツッコミング!三郎、3ポインツゲット!
   10ポイント達成で!三郎、小笑家の世継決定ィィィィィィ!!

一郎:無念!

次郎:参りました!

三郎:俺、正妻の子じゃねぇよ!

父上:オーケーイ!グレィィィィィィトツッコミーング!



終わり


エントリーNO.040 みやこ
野崎:はあっ!!

宮尾:(バキッ)ぐあっ!!・・・ふふふ、なかなかやるな。だが、まだまだっ!!とあっ!!

野崎:(ドガッ)ぐわあっ!!・・・くっ、さすがに強い・・・。

宮尾:お前も確かに強くなった・・・。だがまだまだ「滅拳鬼」と呼ばれる俺には遥か届かんよ。

野崎:・・・そんなの、俺が力尽きるまで分かるもんか!!俺だって、血がにじむような修行をしてきたんだ・・・。
   最後まであきらめねえぞ!!

宮尾:戦いきる気か・・・。ふふふ、ここまで燃えてきたのも久しぶりだな。
   さあ、決着をつけようか!!行くぞ!!

(プルルルルル・・・プルルルルル・・・)

宮尾:・・・あ、電話だ。

野崎:電話だと?こんな時に・・・。

宮尾:会社からだ。ちょっと出るから待ってろ。

野崎:関係ねえよ!!今はバトル中だぞ!!はあっ!!

宮尾:待ってろといってるだろ!!であっ!!

野崎:(ドガァン)ぐあああっ!!・・・くっ。かなわねぇ・・・。

宮尾:(ピッ)もしもし。・・・田中か。どうした?
   何!?新手の素材の取引先を確保した!?そうか!よくやったぞ!

野崎:・・・何かを作る会社か?

宮尾:よし、明日会議を行うぞ。新たな素材で今まで似ない新しく、そして良質なよだれかけをわがベイビー社で生み出すんだ。

野崎:・・・・・・え?よだれかけ?

宮尾:ところで、おしゃぶりの開発は進んでるか?・・・そうか、難航してるか。
   いいか、新しいだけじゃダメだぞ。より赤ちゃんに細心の心配りが施されているおしゃぶりを考え出すんだ。

野崎:おしゃぶり!?え!?え!?

宮尾:分かったな。大丈夫、いざという時の責任は部長の俺がとるから。じゃあ、頑張ってくれ。(ピ)
   ・・・さあ、戦いの続きと行こうか!

野崎:・・・・・・。

宮尾:どうした。怖気づいたか?はっはっは。

野崎:・・・・・・寒いよ。もう何もかも寒いよ。

宮尾:・・・え?

野崎:なんだったんだよ・・・。俺はお前を倒すために日夜修行してきたんだぞ・・・?
   その今までの苦労はなんだったんだよ!?

宮尾:何を言ってるんだ。その苦労を実らせるために俺を倒すんだろ?さあ・・・かかって来いよ!!

野崎:いや、もうやめて!!カッコつけるのやめて!!寒い!!すっごい寒い!!

宮尾:寒いって何だよ!?

野崎:うわー!!俺おしゃぶりとかよだれかけとか作ってる奴を倒そうとしてたの!?
   うわうわうわー!!だっせぇ!!俺すっごくだっせぇー!!

宮尾:何その自分への責め方!?こっちもリアルに傷つくんですけど!!
   俺が何を作ろうが関係ないだろ。来ないならこっちから行くぞ!はあっ!!

野崎:(パシッ)いやいいから!!もうこういうのいいから!!

宮尾:何!?俺の滅殺拳を受け止めただと!?

野崎:やめろ!!おしゃぶりに愛情注いでるヤツが滅殺拳とか言うなぁぁぁぁ!!!

宮尾:(バキドカボコメキ)痛い痛い痛い!!何こいつ!?何で急にめちゃめちゃ強くなってんの!?

野崎:大体滅殺拳てなんだ!?おしゃぶり作ってる奴が滅殺って!!
   赤ちゃんのために仕事してるんならもっと命をはぐくむような拳技を考えやがれぇぇぇぇぇ!!!

宮尾:(ギリギリギリ)イテテテテテテ!!どんな拳技だよそれは!!成長促進を施す拳技なんてねえよ!!
   つーかお前強すぎ!!なんか目の前に川が流れてるのが見えてきた!!死んだおじいちゃんが手招きしてる!!
   ・・・離せぇっ!!

野崎:(バッ)はあ、はあ・・・。

宮尾:はあ、はあ・・・。

野崎:畜生・・・。俺はな、子供の頃から強い奴にあこがれていた。そして一番強い奴になりたいと思っていた。
   そして、アンタが裏の世界で「滅拳鬼」として誰をも寄せ付けない鬼神のような強さを持った奴だいうことを知ったんだ・・・。
   だから俺は思った。アンタを倒した時に俺は一番強い奴になれるんじゃないか、とな・・・。

宮尾:今なりかけてたよ。おじいちゃんが「もうあきらめろ」って言ってたよ。

野崎:だから俺は何度もアンタに挑んだ。だが、いくら挑んでも勝てなかった。
   でも俺はあきらめなかった。修行に修行を重ね、人間離れした強さを身につけて、今日あんたに勝負を挑んだんだ・・・。
   ・・・それが何だよ・・・。そのアンタが、おしゃぶりやよだれかけを見て触って喜んでる集団の一人だったなんて・・・。

宮尾:その言い方やめろ!!その変な趣味をもっている集団みたいな言い方!!
   まあ確かにな、裏で絶対的な強さを持っていると周りから言われてる俺だけど
表じゃ真面目にベイビー社で仕事してるんだよ。

野崎:そりゃあ仕事はしてるだろうさ。でも・・・おしゃぶりって・・・。よだれかけって・・・。ベイビー社って・・・。
   「フフフフフ、俺は滅拳鬼。俺の拳のかなう奴は誰もいない。
    でもおしゃぶりとよだれかけには適わない!勝ちを譲っちゃう♪
    ベイビー社万歳!!ベイビー社は永遠なり!!」
   ・・・はぁ〜あ・・・。

宮尾:んなこと一言も言ってねえだろ!!その「はいはい、そうですか・・・。」オーラがムンムン出てるようなため息やめろ!!
   あのな、おしゃぶりやよだれかけをなめるなよ。
   おしゃぶりもよだれかけも、まだ小さな赤ちゃんを健やかに育てるための重要なアイテムなんだよ。
   これから未来を生きていく赤ちゃんのために尽力するのが俺の使命なんだよ。

野崎:おええええっ!!

宮尾:吐くなよ!!何その俺への拒否反応!?

野崎:はあ、はあ・・・。何あの真剣な語り口調・・・。目の輝きが尋常じゃない・・・。
   見ろよ・・・。俺の吐いたものより眩しく輝いてるぜ・・・。

宮尾:そんなもんと比べるな!!そりゃそれよりは輝いた目でいたいわ!!

野崎:絶望したよ・・・。アンタには・・・一匹狼のイメージがあったのに・・・。
   社会に惑わされ、引っ張りまわされることなくたくましく生きる・・・そんなイメージがあったのに・・・。

宮尾:そ、そうかぁ?

野崎:どんなきれいごとも、建て前も、常識も、アンタには通用しない。
   社会の問い掛けにも使命にも、親の命令にも従うことなく、どっしりと部屋で構えていて・・・。

宮尾:ちょっと待て!!カッコよく言ってるけどそれってニートじゃねえかよ!!

野崎:唯一の司令塔は一台のコンピューター。「好きなモードを選んでね♪」「レッツ、スタートだよ♪」「頑張ってね♪」
   それらの司令のみ、アンタを突き動かすことが出来る・・・。

宮尾:ゲームじゃねえか!!2次元のキャラクターしか突き動かせないってどれだけ現実が嫌いなんだよ、お前の中の俺!!

野崎:それでも親や社会がアンタに怒りと苛立ちを与え続ける・・・。
   しかし、アンタはそれらを拳に乗せて、裏社会で数々の猛者を倒し続ける・・・。

宮尾:要するに「ストレスたまったからケンカしよーっと」ってことじゃねえか!!

野崎:そんな男気溢れる戦士だと思ってたのに・・・。

宮尾:溢れてねえよ。甘えに溢れて溺れてるんだよ、それは。

野崎:大体、ベビー用品を扱ってる奴が「滅拳鬼」て・・・。何その恐ろしいギャップ。

宮尾:ほっとけよ。どんな名前付けようと勝手だろ。

野崎:そんなに赤ちゃんが好きなら「バブちゃん」でいいだろ!!

宮尾:良くねえよ!!こんないかつい中年がそんなバレーボールのマスコットみたいな通称つけられるか!!

野崎:「滅殺拳」なんてカッコつけた技名もやめろ!!「汚射撫離拳」にしろ!!

宮尾:「おしゃぶりけん」!?なんなんだよその技は!!

野崎:お前の咥えた「汚」いおしゃぶりを相手の口に「射」し、頭を「撫」でて相手を「離」れたくさせる、という技だ。

宮尾:上手いことかかってるけど、最終的に相手がドン引きするだけだろ!!

野崎:口の臭いのスキルが高いアンタだからこそ出来る技だ。

宮尾:うるせえよ!!悪かったな、臭いまま接近戦を行ってよ!!

野崎:「涎香拳」もいいな。

宮尾:「よだれかけん」か!?

野崎:よだれのたっぷりついたよだれかけを投げつけて
「どうだ!3日間も洗ってないから唾液臭いだろ!」と台詞を決め、相手を絶命。

宮尾:しねえよ!!さっきから汚れと臭いと人間性でしか相手にダメージ与えてねえじゃねえか!!悲しすぎるだろ!!

野崎:後は「汚夢通拳」だな。これは・・・。

宮尾:「おむつけん」・・・。「腸」という道を通った汚れた夢を投げつける、とかいったらぶっ飛ばすぞ。

野崎:・・・・・・・・ウンコを投げるんだよ。

宮尾:図星を指された挙句にどストレートな回答かよ!!情けなくて涙が出るよ!!
   つまりお前の提案を総合すると、「宮尾は汚れたベビーグッズで戦え」って事になるぞ!?

野崎:そうだ!!赤ちゃんのために尽くすんならもっと徹底しろ!!

宮尾:そんな徹底の仕方したら赤ちゃんに汚れたイメージがつくわ!!
   大体、裏社会にまで徹底させる必要はねえだろ。

野崎:フン、そうか・・・。こんな戦い方はしたくなかったが仕方がない・・・。
   バブちゃんよ、お前の弱点は分かった。そこを突かせてもらうぞ。

宮尾:バブちゃんじゃねえよ!!というか、さっき三途の川を俺に見せたんだから弱点を突く必要ないと思う!!

野崎:フフフ・・・俺が既婚者ということは知ってるか?そして、生まれたばかりの赤ん坊がいることも・・・。

宮尾:え!?お前赤ん坊がいるの!?どんな赤ちゃん!?写真とかある!?写メでもいいから見せて!!見せて!!

野崎:ああぁ〜・・・夢じゃないんだ、やっぱり・・・。
   赤ちゃんの話題を切り出したとたんにこのテンションの上がり方・・・。眩しいほどに輝く瞳・・・。
   ・・・おええええええっ!!

宮尾:だから吐くな!!しょうがねえだろ、赤ちゃんでテンション上がるのは職業病みたいなもんなんだよ。

野崎:お、今吐いたのはお前の瞳よりは輝いてるぞ。

宮尾:汚物の輝きに負けた!?だいぶショックだよ!!
   てか、それより早く見せろって!!お前が産んだものよりお前の奥さんが産んだものを!!

野崎:わかったよ・・・。この写真だよ。ほら。

宮尾:どれどれ・・・・・・・・。

野崎:ふっふっふ・・・。今だ!!とあっ!!(バキドカボコメキ)

宮尾:・・・・・・・・・・・・。

野崎:こんな方法使いたくなかったけどなぁ!!(バキバキ)
   俺がアンタに絶望した、このやるせない気持ちはこうでもしないと晴らせないんだよ!!(ドガドガドガ)
   この怒りの元に、土に還れぇぇぇぇ!!!(ボコボコボコボコ)

宮尾:・・・・・・うるせぇぇぇぇぇぇぇ!!!!(ドガーーーーン)

野崎:ぐあああああっ!!な、なんだと!?急に力が増した!?あの写真が・・・力を与えたというのか!?

宮尾:全く持ってその通りだよ!!さっきの快感に満ちた俺のテンションを返せぇぇぇ!!

野崎:(メキメキメキ)イテテテテテテ!!やめて!!川が見える!!おばあちゃんがお尻振ってる!!お尻招きしてる!!
   な、何がいけなかったと言うんだよ!?

宮尾:根本的にいけないわ!!この写真、どっからどう見てもオッサンじゃねえかよ!!
   オッサンがおしゃぶり咥えてよだれかけつけて、でっかいベビー服着てるだけじゃねえか!!
   こんなベビー用品の悪用初めて見たよ!!

野崎:な、何言ってるんだよ!!確かに顔は大人びてるけど、立派な赤ん坊だよ。

宮尾:大人びすぎるだろ!!見ろよこのオッサン特有の青髭!!
   口元から喉の辺りにまで青い太平洋が広がっちゃってるだろ!!

野崎:産毛って奴だろ?ジョリジョリして気持ちいいんだぜ。

宮尾:産毛の時点でジョリジョリしてる赤ちゃんなんて嫌だろ!!大人になったら毛じゃなくて枝だよ、枝!!
   大体、髭とか以前に顔が全体的にオッサンだもん!!加齢臭100%的な顔だもん!!

野崎:いやいや、俺の赤ん坊は泣きそうになるとこんな感じの顔になるんだって。
   普段は天使のようなかわいい顔をしてるけど、泣く時にちょっと老けるんだよ。

宮尾:これはちょっとどころじゃねえだろ!!とんでもないメタモルフォーゼだよ!!
   何だ、お前の赤ちゃんは泣く時に顔の細胞が全部古ぼけるのか!?涙の数だけ太平洋が広がるのか!?

野崎:何だよさっきからひどい言い草だな!!親の俺が赤ん坊って言ってるんだから赤ん坊なんだよ!!

宮尾:・・・メシは何食べさせてるんだよ。

野崎:とりわさ。

宮尾:オッサンが食べるもんだろ!!酒の肴の代表格じゃねえか!!

野崎:しょうがないだろ!!「今日もとりわさで一杯やりたいねぇ・・・カーッペッ!」って言うんだから!!

宮尾:もうしゃべってる時点で気づけよ!!言動も挙動もオッサンまみれだしよ!!

野崎:と、とにかく俺の子だ!!ちゃんとコウノトリが運んでくれた子なんだ!!

宮尾:オッサンを運ぶコウノトリってどんなんだよ・・・。

野崎:ある日夫婦で公園を歩いてたら、たくさんの黒いコウノトリが「カァー、カァー」とあやしながらこの子を囲んでたんだ!!

宮尾:それカラスだよ!!カラスがオッサン囲んで威嚇してたんだよ!!

野崎:この子は泣きながら妻に飛び込んできたよ。「うわあああん、こんないいケツ久しぶりに触ったよ〜。」と言いながらな。
   その光景を見て俺は涙ぐんじゃったよ。

宮尾:エロオヤジじゃねえかよ!!お前も感動するところじゃないだろ!!嫁が汚されてるんだぞ!?

野崎:そして俺達は思ったよ・・・。これは神の恵みだってな・・・。

宮尾:その光景でどうやってそう思ったんだよ!!
   絶対恵みじゃない!!神が爪を切ってて飛んでいったのがコイツになったんだと思う!!

野崎:何だよ、さっきから好き放題言いやがって!!アンタもオッサン顔してるじゃねえかよ!!

宮尾:俺は自他ともに認めてるオッサンなんだよ!!こんなもどききれてもいない赤ん坊もどきと一緒にするな!!

野崎:な、なんだと・・・!?許さん・・・。うちの子をバカにするなんて・・・。ゆるさねぇぞおおおおお!!!(バリバリバリ)

宮尾:うおっ!?な、なんだこの気迫は!?

野崎:うおおおおおおおおおおっ!!(ズガーーーーン)

宮尾:ぐあああああああああっ!!・・・くっ、まさかここまでの力を秘めていたとは・・・!

野崎:はあ、はあ・・・。言っておくぞ。赤ちゃんのために尽力を尽くす使命を持ってるのは、アンタだけじゃないって事だ。

宮尾:くっ・・・。お、俺は認めないぞ・・・あんなのが、赤ちゃんなん・・・て・・・。(ガクッ)

野崎:・・・ついに決着がついたか・・・。長かった・・・。ついに、ついに倒したぞぉぉぉ!!!
   (プルルルルル・・・プルルルルル・・・)
   ・・・あ、電話だ。家からだ。(ピ)もしもし。
   おお、ヒロシかー。元気でちたかー?ん〜?ちゃんとおまんまたべまちたか〜?
   ん〜、どちたの〜?ああー、今日も会社でOLに悪口を言われたんでちゅか〜。
   そこはヒロシの得意のヒップタッチの出番でちゅよ〜。
   あ、あのモノマネ見せてよ〜。あれあれ・・・。それそれ!今日も似てまちゅねー、中曽根元総理のモノマネ!
   え、何々?帰りに仁丹と白髪染めクリーム買って来て?わかりまちた〜。すぐ帰りまちゅよ〜。
   ・・・あ、すみません、気に障りましたか・・・。赤ちゃん言葉は控えます。はい・・・失礼します。

宮尾:・・・・・・(ムクリ)

野崎:(ピ)ふぅ〜、年上の赤ちゃんはいろいろ気を遣うぜ・・・・・・・・・・・・・・あ・・・。

宮尾:・・・・・・・・・・・・・・・年上の赤ちゃん・・・・・・。

野崎:・・・・・・・・・・・・・・・さぁ〜って、ベイビー社特製のベビー用白髪染めでも箱買いしてくるか!

宮尾:んなもんねぇぇぇぇよ!!!(ズガーーーーン)


エントリーNO.033 NIKE
(椅子に座っているNを、Iはぐらぐらと揺らしている。)

I「いっか?もうすぐ俺がお前を起こすぞ。お前は目が覚めると、数字の6が言えなくなってしまうんだ。
  いっか?俺が指を鳴らすと、お前は目を覚ますぞ。いっか?」

(シュッ)

I「はい、目を覚ませ。」
N「・・・・指鳴ってなかったよな?」
I「うっせーな。いっか、じゃあお前は、1から順に数を数えてみろ。」
N「えーっと・・1、2、3、4、5、6、7・・・あれ?7・・7の次は・・」
I「おい。」
N「えっ?」
I「違うよ。6が言えなくなるんだってば。」
N「お前さっきまでずっと8って言ってたじゃねーかよ。なんで変えるんだよいきなり。」
I「気分だよ気分。対応しろよそこは。ちゃんと聞いてくれよ俺の催眠術。聞いてそして効けよ。
  あ、今のは話を聞くの「きく」と、効果が出るほうの「きく」をかけたんだよ。ひひひ。」
N「ひひひじゃねーよ。大体さ、なんで催眠術にかかるフリなんかしなきゃいけないの?」
I「しょうがないだろ!俺は催眠術師だってことになってんだから。」
N「だから、もうそこが意味わからないんだよ。お前催眠術師じゃないだろ?」
I「いや聞いてくれよ。あ、これは耳で聞くほうの聞いてくれであって、効果が・・」
N「わかるよ別に。わかるわかる。いいから話せって。」
I「あのな、昨日久々にオカンが僕に電話してきたんだけどよ。そのときオレ酔っててさ。
  でたらめに『オイラ催眠術師やってて、一線で活躍してる』って言っちまったんだよ。」
N「定めろよ一人称。」
I「そんでよ、来るんだよ今日オカンが。俺の催眠術を期待して来るんだよオカンが。
  すごい期待させちゃったからさ。だからお前の協力が必要なんだよ。」
N「なんだよその理由。お前が後でちゃんと『酔った勢いで言ったでたらめだ』って
  母親に伝えればいいだけじゃねーかよ。」
I「だってオレ実家の電話番号わかんねーもん。」
N「いるんだそんな奴。」
I「いるんだなここに。」
N「・・・・・。」

(I・Nをぐらぐら揺らす)

I「いっか?いっかいっか?お前は目を覚ますと、数字の8が言えなく・・」
N「6じゃねーのかよ!」
I「どっちでもいーだろ!対応しろよお前がよ!」
N「コロコロコロコロ数字変えるんじゃねーよ!」
I「じゃあお前はどっちがいいんだよ!」
N「・・・・・6だよ!」
I「ほぉー!」
N「・・・・・・・・。」
I「いっか?お前は目を覚ますと、数字の5が言えなくなるんだ・・」
N「なんでここに来て新規参入すんだよ。」
I「寝てるやつが喋るな!いっか、5が言えなくなるんだからな!」

(シュッ)

I「はい!目を覚ませ!」
N「お前まず指鳴らす練習した方がいいんじゃないか?」
I「ほっとけ!いっか、今から数字を1から数えてみろ!」
N「えっと、1、2、3、4・・・えっと。あれ?4の次は・・・」
I「今何時だ?」
N「今は夕方の5時半・・」
I「言うなよ数字の5!!言うなよ数字の5!!」
N「うっせーよ!なんでお前に騙されなきゃいけないんだよ!」
I「騙すも何もお前が催眠術にちゃんとかかってるかどうかのテストだろ!」
N「余計なことすんじゃねーよ!・・・ちょいゴメン。トイレ貸して。」
I「嫌だって言ったら?」
N「お前の部屋で壮大にぶちまけるのみだよ。」
I「貸してやろう。」
N「うぃ。」

(I・スプーンを取り出し、指でこすり始める)

N「ふぅ。なぁなぁ、お前のとこのトイレの『ブルーレット置くだけ』さ。
  あれもう効果なくなってるぞ。ブルーでもなんでもないもん水の色。」
I「・・・・・・。」
N「あれじゃお前、『ブルーレット置いてあるだけ』だよ。」
I「・・・・・・。」
N「おい、聞いてんのかよ。」
I「待ってくれよ今集中してんだよ。」
N「・・・なんで急にスプーンなんて曲げ出そうとしてんだよ。」
I「あのな、オカンに酔った勢いで『実はオレは催眠術師でもあり、超能力者でもある』って
  言っちゃったんだよ。」
N「・・・もうあれだな、呆れてモノも言えないわ。」
I「モノ言えなくていいから数字の5言えなくなってくれよ。」
N「うっせーよ。・・超能力だったらさ、もっと簡単な方法があるじゃん。」
I「何?」
N「俺が考えてることを、お前が当てる。」
I「あーあーあー。デリカシーね。」
N「テレパシーな。それならオレが、お前が言ったやつを聞いて、後から『俺もそう思ってた』
  って合わせればいいんだよ。これでテレパシー成立。お前、超能力者。」
I「お前アインシュタインだな。」
N「頭いいだろ?じゃあ早速やってみよう。テーマは魚だ。」
I「OK。いっか?今から何か魚を思い浮かべるんだ・・」
N「ごめん、その『いっか?』ってやつ止めてくんねぇかな。」
I「なんでだよ。別にいいだろ。」
N「その・・・・台本に無いキャラ付けするのやめてくれる?腹立ってくるから。
  台本には普通に『いいか?』って書いてあるはずなんだけど。」
I「別にいいだろ。演者の勝手じゃん。森進一みたいなもんだよ。」
N「・・・わかった。話がややこしくなる前に本編に戻ろう。
  えっとなんだっけ。魚思い浮かべるんだっけ?」
I「そうだよ。魚を何か思い浮かべろ。」
N「えーっと・・。」
I「いっか?」
N「・・・はいOK。」
I「じゃあ今からそれを当てるな。んー・・・・・はっ!くじら!!」
N「・・・おぉスゲー!オレもくじらだったよ考えてたの!」
I「だろ!どーだオレは超能力者だ!」
N「うんうん。でも一応言っとくな。くじらは魚じゃなくて、哺乳類だ。」
I「哺乳類と魚は何が違うんだ?」
N「あーもう面倒くせぇ。まぁいいや。とにかく本番はこれでいこうや。」
I「よしっ!あとは催眠術だな!こっちさえカッチリはまれば。」
N「そうだな。」
I「よーしじゃあもう1回椅子に座れ!数字の5を言えなくしてやるからな!」
N「・・・ん。わかった。もっと簡単な方法でいこう。」
I「なんだ?こっちにも簡単な方法があるのか?」
N「あるんだなこれが。ちょっとお前、椅子に座ってみて。」
I「ん?オレが?・・・はい、座った。」

(N・Iの頭をゆっくり下げる)

N「・・・いいか?お前が目を覚ましたら、お前は催眠術師になっているんだ。
  お前の母親の前で披露する時も、催眠術が本当にかけられる。
  かけられたやつは、本当に数字の5が言えなくなる。
  よーし・・3つ数えて、オレが指を鳴らしたら目を覚ますんだ。1、2、3・・。」

(パチンッ)

I「はっ!・・・・え?何?お前今なんかした?」
N「いや。別に何も。ビックリしたよ急にお前寝だすからさ。」
I「あ、ゴメンゴメン。えっと何だっけ?催眠術の練習だよな!よーしお前、椅子に座れ。」
N「はいはい。わかりましたよ。
 (これで俺がかかってやればいいんだよ。何故なら、そう。俺は本当に催眠術が使えるんだから。)」
I「・・・・いっか?お前は目が覚めたら・・あ、ちょっと変えよう。
  いつも同じパターンじゃアレだから・・お前は目が覚めたら、陽気なスペイン人になっているんだ。」
N「(ちょっと待て!なんで急に変えるんだよ・・!)」
I「いっか?俺が指を鳴らしたら、お前は目覚める。そしたらお前は陽気なスペイン人だ!いくぞー!」
N「(いや、ちょっと待て・・って・・・・・・・・・)」

(パチンッ)

I「はい目が覚めた!」
N「・・・・・・・・・・・。」
I「えーっと・・?」
N「・・・・・・・・・・・オーラセニョールコモエースタース!!」
I「おー!!えっと、こもえすたす!」
N「オームイビエーン!!オーラ!オーラムーチョグースト!!」
I「おー!むーちょむーちょ!」
N「デドンデビエネ!!」
I「びえね〜〜〜〜!!!」
(フェードアウト。)


エントリーNO.025 バーソロミュー教団
よぉ、みんな!オレ、宮本タカシ、15歳!そう、君達と同じ、中学3年生さ!
オレは今、山ヶ丘中学校で、野球部のキャプテンをやっているんだ!運動真っ盛り!
だけど一つ心配なのは、勉強が苦手なこと。この前の中間試験なんて、78点なんて点数取っちゃったよ。とほほほほー

「コラー宮本ー!サボらないっ!」
コイツは、幼馴染の本条優子。俺達野球部のマネージャー!
オレと違って勉強が出来るし、しかも可愛いんだ!
でも、何で優子は勉強出来るんだろう。俺達と同じ時間に部活を始め、同じ時間に終わるのに。
オレは、思い切って優子に聞いてみた!すると、こんな返答が返ってきた。
「あたしはね、これ!進研ジミやってるんだ!」
なんだって、優子はジミをやっていたのか!俺も採ってみようかな!家に帰ってお母さんに頼んでみることにしよう!

「あらタカシお帰りなさい、ジミの宣伝広告が入ってたわよ」「かーさん、オレ、ジミやりたいんだ!」
「どーせ付録目的なんでしょー?」「違うんだ!ジミは違うんだ!」「分かったわよ仕方ないわねー」
早速ジミが届いた!「へぇー、こんな便利なのが付いてるんだ!ビックリコックリ!早速やってみよう!」

30分後―「ふぅー疲れたー。あれぇ!?まだ30分しか経ってないや!ビックリコックリ!」
とりあえず、明日の授業の予習は完璧だ!

ー次の日、歴史の授業中にてー
先生「じゃぁ、宮本、答えてみろ!」宮本「はい、応仁の乱です!」クラスメイト「すっげぇぇ!!!」
「以前ならこんな余裕無かったのに、ジミってすげぇや!ビックリコックリ!次は、期末テスト対策をやろう!」

期末中―宮本「あ、これ、ジミでやった問題だ!スラスラ解ける!ビックリコックリ!」

期末終了―先生「今回のトップは2名!宮本と本条だ!よく頑張った!」宮本「ゼミの成果出たーッ!!」

期末終了後のクラスメイト「宮本君って、変わったよねぇ!」「部活も勉強も手抜き無しって感じでカッコイイ!」

宮本「オレは、このジミのお陰で、勉強もクラストップ、野球の引退試合でサヨナラ満塁ホームラン!
   優子との仲も急接近で、いい事ずくめさ!皆も一緒に、進研ジミやろうぜ!!」




朝倉:これが、4月号のジミ付属のマンガとなります。

海洞:ワシを舐めやがってんのかね君は。

朝倉:と申しますと?

海洞:毎回毎回同展開、こんなのでジミに学生が「めっちゃ便利やーん!」とか言ってくると思うか?
   今時幼稚園児でも「先月と同じ展開やん」って言うわ。はっきり口調で言うわ。

朝倉:確かに。これは抜本的に改正する必要がありますよね。

海洞:改正に当たってだが、あまり無茶苦茶にしすぎると、読者はジミのマンガだと言う事を忘れてしまう。
   そこでの注意点だが、なるべく現実味のあるオリジナリティを出すんだ。
   例えば、ウンコはウンコでも、俺の出したウンコが青すぎてウンコとして認められかったよー!みたいな。

朝倉:今世紀最大の糞比喩でしたね。

海洞:そこで、まずは主人公だ。宮本タカシというありきたりな名前、山ヶ丘中学校というありきたりな学校名、
   そして一番問題なのは、野球部という球技系部活に所属していることだ。こんなのばっかじゃすごーくダサい。

朝倉:確かにそうですよね。今時トイレットペーパーを頭に乗っけて歩いてる人並にダサいですよね。
   全部変えておきますね。

海洞:そして問題は此処、幼馴染の美人女子が居ることだ。
   どいつもこいつも幼馴染が居やがって、最終的に幼馴染がいない読者がショボーンってなるだろう。ショボーン。

朝倉:成程、僕もショボーンってなりかけてました。

海洞:いいか、筋書きはこうだ。
   主人公は廃れた中学校に通うデブ。勉強も、運動も出来ず、ただ暗い日々を送っている。
   友達もおらず、話しかけても無視される辛く厳しい毎日。
   だが、こんな俺でも、話しかけると反応が返ってくる女子がいたんだ。
   「ねぇ、名前なんて言うの?」女子「ここは、きょうしつです」
  「僕は、○○って言うんだ」女子「ここは、きょうしつです」

朝倉:RPG内での村人Aのポジションじゃないですか!

海洞:現代の若者が敏感になりそうなゲーム要素を取り加えておくんだ。続き行くぞ。
   クラスメイトにも無視され、途方に暮れた俺がふと騒がしい教室内を見渡すと、
   俺を無視したバカヤロー共が、食わず嫌い王決定戦で盛り上がっていた。

朝倉:RPGの村人共が食わず嫌いしてんじゃないよ。

海洞:男子「僕の4品は、ひじき、カボチャ、ゴボウ、モヤシだよ」
   主人公「なんだ、その地味な4品は。ん?地味?ジミ?そうだ、進研ジミで勉強しよう!」
   タタッタタラリラ〜進研ジミ付属マンガ:師走の風邪ほど辛いものはない

朝倉:なんすかその、微妙すぎる前フリとラインナップは!
   しかもタイトルからジミを推すマンガと思えないですから!

海洞:これはオマケで、本編は此処からスタートな。
   「ワタシは、腹黒でお馴染み、ニューハーフの山田健三郎よん!」

朝倉:もう主人公自体変わってるじゃないすか!しかもニューハーフて!

海洞:腹黒でお馴染みの健三郎は、それはそれは腹黒で、
   国語の教科書の物語の作者像をタモリみたいにしたり、
   リスニングテストの最中に校歌を鼻歌で歌ってみたり、
   とんでもないことには、他人の上靴の仲に、画鋲の痛くないほうを上に向けて置く始末で…

朝倉:なんなんですかその地味な陰険活動の数々は!

海洞:そう、健三郎はとても地味だったのである。ん?地味?そうだ、進研ジミで勉強しよう!
   パラリララッラッラ〜進研ジミ付属マンガ:エロサイト見てたら偶然親が入ってこなかった

朝倉:もういいですってその展開は!しかも入ってこなかったんかい、とかどうでもいいですよ!
   ちょっと、本気で考える気あります?
このままやったら、幼稚園児がはっきり「前回見たわ」って言うあのマンガで出しますよ?

海洞:ちょっとそれは勘弁してよー。幼稚園児怖いよー。
   もう仕方ない、こうなったら短編を作るしかないな。

朝倉:短編…ですか?

海洞:そう、短編。何せ、今までのマンガは長すぎたんだ。展開が豊富すぎる。
   だから毎回、マンネリ化をしていくのだ。ここで一発、あっさりとしたマンガを出すことによって、
   「お、違う感じも出るんやーん」とかの感想が得られるのだ。

朝倉:無駄に説得力のある意見。死ねばいいのに。

海洞:よし、一つこんなのはどうだろう。
   「俺は吉田ダイスケ。勉強も運動もばっちりさ! 完」

朝倉:最低限ジミを宣伝しましょう!それでは史上最悪の駄作マンガ間違い無しです!

海洞:うむ、それではやはり、最初のマンガの逆を行くと言うのはどうだろうか。

朝倉:逆、といいますと?

海洞:現在の展開がありきたりなら、その発想を全て覆せば、目新しいものが出来るではないか。

朝倉:なんて当たり前の事を平然と語ってるんだこの人は。もう2回死ねばいいのに。

海洞:原点に戻ってやり直しだな。まずは、78点で落ち込むシーン。
   78点で落ち込む奴なんかは、そういない。エリートだけだ。
   此処は極端に低い点数で、読者に「俺と一緒やん、親近感わくやん!」って思わせられるようにしないと。

朝倉:ふむふむ。

海洞:更に、此処で幼馴染が登場するわけだが、さっきも言った通り、そんなにいっぱい幼馴染はいない。
   だから、例えば偶然部活で一緒だったとかの設定にして、ブサイクで、変な趣味を持った秀才にするんだ。
しかも、主人公が嫌い。

朝倉:海洞さんは何かジミのキャラに怨念でもあるんですか?

海洞:そして次に重要なのは、家族構成だ。毎回毎回、お父さんが出てこない。
   教育に無関心な父親が増えていることは紛れもない。だがお父さんの存在感を消すのだけは止めてくれー!

朝倉:分かった、分かりましたから悲痛な叫び声をあげなさんな。

海洞:そしてその次、ジミに関して語り合った後、何故家にジミの宣伝やらDMが届いているのか。此処が問題だ。
   そうだなぁ…此処は、お父さんが会社の帰りに、
道端で寂しそうに泣いていたジミのDMを拾って帰ったというストーリーにしよう

朝倉:成程、教育に関心を持った父を描くと同時に、偶然道端にジミDMが落ちていた設定にするんですね、バーカ。

海洞:これで主人公が頼むのはいいとして、ジミ教材の到着が早すぎる。んなすぐ来るわけがない。
   ラーメン屋でラーメン注文して、数分で来るか?それと一緒だ。

朝倉:ラーメンは大抵すぐ来ますから。海洞さん比喩下手すぎです。

海洞:此処は、うっかり者のお父さんが、電話するのを忘れてたということにしよう。

朝倉:もうなんでもいいです。

海洞:そして極めつけは、試験にジミの問題が出るということだ。
   ジミの問題がでなくて、ショボーンってなる、これも悪くないんじゃないか?

朝倉:海洞さんは結局ジミ否定をしたいんですね?

海洞:そうではない。現実の厳しさを教えようとしているのだ。

朝倉:現実の厳しさを重点に置くなら間違いなくこのマンガはクソ以下になるかと。

海洞:なんだね、君はさっきから偉そうに。そんなに偉そうにしてると、お尻ペンペンしちゃうどー!

朝倉:勝手にやっててください。ってか、もういいですよ、後は僕一人で考えときますから。

海洞:そうかい?決して幼稚園児を怒らせてはダメだよ。それでは、頑張ってくれたまえ、はっはっはっ。

(海洞、去っていく)

朝倉:ふぅ、邪魔者はいなくなったけど、一人で考えるって言ったってなぁ…。
   無理やり知恵をしぼっても、どうせ同展開になるだけだし、
   この際、腹くくって、さっきの案を適当に纏めてみるかぁ。









進研ジミ4月号:付録マンガ:エロサイトを見てたら偶然師走の風邪にかかることほど辛いものはない






よぉ、みんな!オレ、本丸宮ゴンザレス、15歳!そう、君達と同じ、中学3年生さ!
オレは今、トッペンポロリンニャーゴ中学校で、放送部のザコをやっているんだ!声量真っ盛り!
だけど一つ心配なのは、勉強が苦手なこと。この前の中間試験なんて、10点なんて点数取っちゃったよ。だからなんやねん!

「今日の給食は、ミジンコのソテー、ミカヅキモのムニエル、アメーバの天ぷら……コラーゴンザレスー!サボらないっ!」
コイツは、幼馴染でも同じクラスでもない、マッチョマリモ・マドレーヌ花子。微生物が大好き、俺達放送部のキャプテン気取り!
オレと違って勉強が出来るし、だがしかし顔が残念なんだ!!
でも、何で花子は勉強出来るんだろう。俺と同じ時間にウンコに行き、俺と同じ体脂肪率を叩き出してるのに。
オレは、思い切って花子に聞いてみた!すると、こんな返答が返ってきた。
「給食終了後、バスケ部は職員室前に集合してください」
無視されたー!なんてこったい!
でもオレは諦めず、花子の私物をあさってみた。すると、こんなものが出てきた!「微生物大百科:進研ジミ監修」
うわー、こんなんあるんやー。へぇ、ディプロガスターってかっこええのもおるんや。って、そんなこと言ってる場合じゃない!
優子はジミをやっていたのか!俺も採ってみようかな!家に帰ってお父さん、いや、お義父さんに頼んでみることにしよう!

「ゴンザレスお帰り、さっき道端でジミのDM拾ってきたよ」「お義父さん、オレ、ジミやりたいんだ!」
「ただいまって言わんかこの義理の息子ー!!」
怒られたー!めっちゃ怒られたー!しかもしっかり「義理」ってつけられたー!ただいまー!
「ジミが採りたい?はいはい分かった分かった、そのうち電話しとくわ。」

期末試験が終わり、学年末試験が近づいてきた冬頃、やっとこさジミが届いた!義父さんもうちょっと早く電話しようよ!
へぇー、微生物図鑑が10冊も届いたよ!誰かの陰謀かな!?早速やってみよう!

30分後―「あ、これ、期末試験で出た問題や!解説されたからスラスラ解ける!嬉しくねー!!」
とりあえず、明日の授業の予習は完璧だ!

ー次の日、歴史の授業中にてー
先生「じゃぁ、宮本、大政奉還を行ったのは誰か答えてみろ!」
宮本「はい、ディプロガスターです!」クラスメイト「どんなボケやねん」
廊下に立たされてしまった。今時廊下て。

さぁ、気を取り直して、学年末試験の問題をやろう!そんな時にこれ、ジミマスター!
ジミマスターとは、ゲームしながら勉強が出来るという優れもの!早速やってみよう!
ピコンピコン……へぇ〜小野妹子って男やったんや………だから正岡子規の正面向いてる写真が無いんか…勉強なるわぁ…
ガラガラガラ
義父「こら義理の息子ゴンザレス!勉強もしないでゲームなんかして!」
ゴン「違うんだよ義父さん!これは、ゲームしながら勉強できる機械なんだ!」
義父「ほぉ、面白そうじゃないか!ちょっと貸してねー♪ へぇ、ブレストリトフスクってのがいるんや。美人なんかな?」
ゴン「義父さん、多分それは人じゃないよ!そして持っていかないでー!」
取られた。仕方ないので微生物の勉強やって試験を迎えよう。

学年末中―ゴン「あ、これ、ジミでやったことない問題や!なんだ、全く解けねぇや!へへーん!」
学年末終了―先生「今回のトップは、マッチョマリモだ!よく頑張った!そして最下位はゴンザレス!5点だ!」
ゴン「皆の前で点数発表されたー!しかもジミやる前より下がってるー!」
学年末終了後のクラスメイト「ゴンザレス君って、アホだよねぇ!」「部活も勉強もどうでもいいじゃんって感じでカッコ悪ーい!」
ゴン「オレは、このジミの責任で、勉強もクラス最下位、学校での部活最後の放送内容が『パンツ落とした人は職員室まで』。
   何故か花子と俺の仲も急接近してしまい、もう死んでしまいたい!皆も一緒に、進研ジミやろうぜ!!!」






海洞:さーて、俺たち2人クビになっちゃったわけだけど
とりあえず幼稚園児に「展開変わったでしょー!?」とか自慢しに行くか!

朝倉:うっさいボケ


エントリーNO.011 青西瓜
「これは夢だ! セクハラし放題だ!」と気付いたことはありませんか?

ありますよね、このド変態め、サナギ野郎め、インコに適当な中国語を覚えさせる人間め。

夢と気付いても、好き放題してはいけません。大きな桃をナイアガラの滝に投げ込むなんてもってのほか。

正しいエチケットがあるのです。ネットならネチケット、夢ならユメケットがあるのです。

そして隣に住んでいるおばあさんのバスケットの中にはフルーツがたくさんあるので今度盗みたいと思います。

現実は悪いことをするとペナルティが存在するので何をしても良いのです。

では、まず夢と気付いた直後から順に説明していきましょう。


■.「あっ! これ夢だ! だってほら、オシッコをしても血尿が出ないし!」

0.全裸の場合、服を着る
 >現実と一緒です。全裸はド変態です。サナギ……いや、幼虫野郎です。何もまとっていないので。

1.正座をする
 >日本人の心です。

2.鼻をほじる
 >夢の中でも大きなモノが取れると嬉しいですよね。
  もしかしたら夢だからこそのモノが取れる可能性大です。ほじり倒しましょう。

3.出た鼻血を上着の袖で押さえる
 >服は何のためにあるのか、そう、このためです。
  ちなみにいくらほじり倒しても血が出ない場合は、その状況に甘え、ほじり続けましょう。
  「友達が仕掛けてくれたサプライズパーティだ」と思いながらほじると、より友情を感じられます。

3.鼻血が止まったら、立ち上がり、「電話と言ったらNNT東日本!」と言う
 >せっかくの夢の中なので、CMの話が来た時のことを考えて練習しましょう。
  貴方が住んでいる地区が西なら”西日本”にしましょう。それくらい言わなくても分かって下さい。


これで第1ブロック終了です。

この部分で重要なことは1つ、

「NNT東日本!」と言う時、手を握り、親指だけを立てて、その指を鼻の穴に入れることです。

今さっき鼻血を出してしまいましたが恐れず、思いっきり刺しましょう。

大丈夫、夢の中ですから。

では第2ブロックにいきましょう。



■.「血尿が出ないなんて3年ぶりだ……黄色って美しい……」

1.黄色い色鉛筆を全て折る
 >黄色キャラの枠はもう既にオシッコでいっぱいです。
  たぷんたぷんで表面張力まで使っています。
  なので、
  黄色い色鉛筆は全て折りましょう。黄色い折り紙を見つけた場合も折りましょう、紙飛行機に。
  夢の中だけは千羽鶴に折らなくていいのです。夢の中では血尿という病気ではないのですから。
  紙飛行機にしたら、どこかへ飛ばしてしまいましょう。
  遠く遠く遠くに……ありがとう、紙飛行機よ……夢をありがとう……。

2.折った色鉛筆のギザギザのほうで鼻をほじる
 >せっかくの夢の中なので、鼻の穴の強度を上げる特訓をしましょう。
  皮を厚く厚く厚く……ありがとう、ギザ鉛筆よ……夢をありがとう……。

3.出た鼻血を残していた黄色い折り紙で拭く
 >何全てバカみたいに紙飛行機にしているのですか。貴方は本当にバカですね。
  無い場合は、服で構いません。そのためにあるのですから。バカのために。

4.鼻血が止まったら、立ち上がり、「電話と言ったらKDDDI!」と言う
 >自分に幅を持たせましょう。いろんなCMに対応できるようにしましょう。
  しかし電話以外の練習をしてはいけません。貴方はどうせ遠距離恋愛になる運命です。
  そして浮気され、気付かず、1日1回の電話を喜び喜び喜び……ありがとう、バカでありがとう……。


これで第2ブロック終了です。

この部分で重要なことはありません。貴方はバカなので、どうせ言っても覚えられないでしょう。

では最後の第3ブロックにいきましょう。



■.「何か貧血になりそう……血尿じゃないのに血が足りない……」

1.折り紙で鶴を折る
 >夢の中とはいえ、もう願掛けしか方法がありません。



さて、これで全ての工程が終わったわけですが、覚えられたでしょうか。

最終的に鶴を折ればいいわけですが……はっ! ま、まさか、鶴の折り方を知らないのでは……。

もうどうしようもないです。いいえ、もうどうしようもないです。

鶴の折れない貴方は折り紙にペンで”鶴”という字を書きましょう。神様は努力を見ています。

……あっ、鶴を漢字で書けないのでは……。

日本人失格です。正座も泣いています。

えっ? 正座は書ける?

バカですか、貴方は……あっ、バカでしたね……何か、本当、こちらこそすみません……。

これは普通を望んだ私の責任ですね。ペナルティを負います。

実はもう盗んでいたフルーツの件がバレていることですしね。

隣に住んでいるおばあさんはいかに穏便に済まそうか考えていますが、自首します。

逆に大騒ぎにします。イタチの最後っ屁です。

えっ? 君と僕はオナラ大好き仲間だって?

そういう意味の屁ではありません。本当に貴方という人は……。


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